会長挨拶

ご挨拶

全国保健師教育機関協議会

会長  臺 有桂

全国保健師教育機関協議会会長 	臺 有桂全国保健師教育機関協議会のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。

 当協議会は、保健師養成学校の任意参加により構成され、保健師教育の質の向上を目指し、1980(昭和55)年に設立されました。2011(平成23)年には任意団体から一般社団法人へと転換し、2023(令和5)年6月現在で会員校は239課程、保健師養成学校の85%に達しました。
 保健師は、保健師助産師看護師法において「保健指導を業とする」と明示され、国民の生命や権利の確保を目的とする社会保障の要となる公衆衛生の担い手です。今日、わが国は急速に少子高齢化と人口減少が進行しており、社会的格差に伴う健康格差、孤立・孤独、深刻な健康問題、頻発する災害、パンデミックといった課題が国民の健康や生活に影を落としています。これらの課題に対処するため、保健師は、健康寿命の延伸と健康格差の縮小、メンタルヘルス支援、新しい働き方の促進、地域ケアシステムの構築、健康危機管理の体制整備などを目指し、人々の暮らす、働く、学ぶ場で専門職としての使命を果たしています。そのため、保健師には対人支援はもちろん、コミュニティへの支援や健康づくりのための施策形成、地域ケアシステムの構築など、高度な実践力と、高い倫理観の修得が期待されています。
 2022(令和4)年からの保健師助産師看護師学校養成所の指定規則改正により、看護師基礎教育では地域看護学において、地域で暮らす人々への看護実践への学びが強化されました。これを踏まえ、保健師教育では公衆衛生看護学を基盤とした実践力の向上が求められています。
 私たち全国保健師教育機関協議会は、社会の変化とニーズに対応し、次世代の保健師となる学生の育成に取り組むと同時に、関係団体と連携した国民の健康や生活に関わる社会的な課題への対応が不可欠であると考えています。そこで、当協議会では、引き続き、上乗せ教育による保健師教育を推進してまいります。また、看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂の動きを見据えながら、保健師のコンピテンシーの明確化、それに基づく保健師教育のモデル・コア・カリキュラムの改訂、健康危機管理能力を高めるための教材開発、教育の質保証のための研修やしくみづくりなど、関係団体と密に連携しながら、より実践力の高い、社会に貢献できる人材の育成に努めてまいります。
 会員校の皆様、関係各位におかれましては、当協議会の活動へのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。